「寂しいこと……か。愁、言ったよね。『テメェの価値観で俺の人生はかんな』って。その言葉、そのままキミに返すよ」

…………!

「ボクはボクがやりたいように生きてる。寂しくなんてないさ。法律も、倫理も、常識も綺麗ごとも。他人が自分の為に作り出したものに縛られるのはごめんだね」


どうして燐はこんなことを言うんだろうと。


「ボクはさ、愁。幻とユウちゃんの関係なんて壊れちゃえばいいのにって思ってる」


いくら考えても答には辿りつけそうにない。


「裏切るのか」

「違うよ、愁。これは優しさだよ」

「……は?」

「ボクは『姫』を連れてきた。それがこんなことになったのが想定外なんだ。恋愛っていう期限付きのものに、あそこまて夢中になる幻なんて、正直ボクは見ていられない。しばらく遊んで綺麗サッパリ終わらせるくらいがちょうどいいと思わない?」


――正気なのか?


「ユウのこと可愛いっての。……嘘かよ」

「んーん。可愛いと思うよ。じゃなきゃ貴重な時間割いてまでこんな買い物に来ないさ」

「だったら――」

「今は、可愛い」

「…………」

「真っ白なうちはね」