「ボクの好きなアイテムは、これ」 そういって、燐が手に取ったのは――口紅だった。 (そんなの使ってたことあるか?) 「真っ白な肌で真っ黒な髪の夕烏ちゃんに、“真っ赤”を足したら。すごく綺麗だろうな」 それを聞いた俺は 真っ赤な口紅を施した、ユウを想像した。 そんな俺を なにも言わずに見上げて微笑む、燐。 燐は、言葉がないときの方が、意味のあることを考えているんじゃないだろうか。