「…………」


そろそろ、“あの話”、しようかな。

そう思ったとき。


それに感づいたかのように

幻さんが、頭を撫でてくれた。



幼い頃に、両親を亡くしたこと。


親代わりになったおばさんから、愛されなかったこと。


学校で、イジメられていたこと。


そして――。


「燐さんと出逢ったあの夜のこと、話します」