買い物へ行くと言って、燐さんが愁さんを連れて出かけて行った。


珍しい組み合わせでの外出だ。


(……愁さんのうしろに燐さんが乗るの?)


ちょっと想像できない。


こうなったのも、おそらくは、さっき幻さんに

わたしにメイクをするように頼まれたからだ。


その準備に出てくれたのだと思う。


(また、恩がひとつ増えた)


……そんなこんなで。


「っ、コーヒー飲みますか?」

「いや」

「そうですか」


唐突に、愁さんの家で

幻さんと二人きりになってしまいました。