「なんでそういうこと言うかな」 「見えるから。相手の心にうずまく欲望が」 「無気力王子」 「僕が王子?」 「白々しい。“眠りの王子さま”――女の子から人気あること自覚ないわけじゃないよね」 「さあ」 「とにかく今は、あたしが羅刹の姫なんだから。ふざけたこと言うのナシだよ」 「君のそういうとこ好き。こっちおいで。一緒に眠ろ」 「イカナイ。ねえ、車出してよ」 少女の合図で車が動き出す。