――そうか。
それをわかっていたから。
そんな燐さんの気持ちに気づいていたからこそ。
幻さんは、燐さんに
【スキンシップ足りないんだろう?】
あんなこと言って、頬にキスしたんだ――。
「愁が、引くほどいいやつで良かったねー。ボクを止めずに欲を優先させて手を組んでたら、今頃このチームもめちゃくちゃになっていたよ。解散してたかも」
「…………」
そんなことがあったなんて。
わたし、なんにも知らずに……。
「キミが幻のウシロに当たり前のように乗ってるのがムカついた」
ごめんなさい
「ボクのやってあげた編み込みをアッサリ壊されて、やっぱりイラっとしたなあ。そのくらいのことで大袈裟だなあって。髪に触れるくらいなんなのって」
「……っ」
「あー、でも、キミはそれでいいんだよ」
(……?)
「そんなキミだからこそ、愛されていくんだろうね。これからも」
「……こんな、わたしだから?」
「やっぱりボクにとって黒梦は居心地がいい」
「ほんと、ですか」
「うん。そうじゃなきゃ今ここにいないよね。たぶん、前より居心地いい。チームとしても、固まってきてる。これは、ユウちゃんのおかげだよ。やっぱりキミはお姫様だね?」


