総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



――そうか。


それをわかっていたから。

そんな燐さんの気持ちに気づいていたからこそ。


幻さんは、燐さんに


【スキンシップ足りないんだろう?】


あんなこと言って、頬にキスしたんだ――。


「愁が、引くほどいいやつで良かったねー。ボクを止めずに欲を優先させて手を組んでたら、今頃このチームもめちゃくちゃになっていたよ。解散してたかも」

「…………」


そんなことがあったなんて。

わたし、なんにも知らずに……。


「キミが幻のウシロに当たり前のように乗ってるのがムカついた」


ごめんなさい


「ボクのやってあげた編み込みをアッサリ壊されて、やっぱりイラっとしたなあ。そのくらいのことで大袈裟だなあって。髪に触れるくらいなんなのって」

「……っ」

「あー、でも、キミはそれでいいんだよ」


(……?)


「そんなキミだからこそ、愛されていくんだろうね。これからも」

「……こんな、わたしだから?」

「やっぱりボクにとって黒梦は居心地がいい」

「ほんと、ですか」

「うん。そうじゃなきゃ今ここにいないよね。たぶん、前より居心地いい。チームとしても、固まってきてる。これは、ユウちゃんのおかげだよ。やっぱりキミはお姫様だね?」