「うん」
『そんなことしてないよ』って。
どこかでそう言って欲しい自分がいたのは、
「どうして……」
『わたしのせいだ』という
そんな気持ちが芽生えていたから。
「居心地わるいなーって思ってた。キミが来てから」
「……っ」
「誤解しないで? ユウちゃんのことは、好きだよ。でも、ほら、ボクは幻のことが大好きでしょ? 幻がいるから、黒梦の飼い猫やってるわけじゃん。だから幻を奪われて気分いいわけないよね」
やっぱり、そうなんだ。
憎いって、そういうことなんだ。
「キミを連れてきたのはボクなのにね。幻がこんなにキミにゾッコンになるなんて予想外すぎたからさぁ。正直ガッカリしてたし。表面上は協力してても、心の中では思ってた。『どうせ壊れるんだろうな』『いっそボクが壊してやるのもおもしろそう』って」


