総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



「うん」


『そんなことしてないよ』って。

どこかでそう言って欲しい自分がいたのは、


「どうして……」


『わたしのせいだ』という

そんな気持ちが芽生えていたから。


「居心地わるいなーって思ってた。キミが来てから」

「……っ」

「誤解しないで? ユウちゃんのことは、好きだよ。でも、ほら、ボクは幻のことが大好きでしょ? 幻がいるから、黒梦の飼い猫やってるわけじゃん。だから幻を奪われて気分いいわけないよね」


やっぱり、そうなんだ。

憎いって、そういうことなんだ。


「キミを連れてきたのはボクなのにね。幻がこんなにキミにゾッコンになるなんて予想外すぎたからさぁ。正直ガッカリしてたし。表面上は協力してても、心の中では思ってた。『どうせ壊れるんだろうな』『いっそボクが壊してやるのもおもしろそう』って」