総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



「一億倍キミの方が幻から愛されてるけどね」


――そうか。


「そんなこと言わないでください」


わたしが幻さんに甘やかされてること

燐さんからしたら、複雑なんだ。


「愛には種類が色々あると思います」


なりましょうよ。幸せに。


「へえ。イロイロあるんだ?」

「はい」


わたしを見つめる燐さんの目が細まった。


「幻さんをわたしが愛しているのも。幻さんが、燐さんを愛しているのも。それぞれに、愛です」

「ふーん。じゃあさ。ユウちゃんもボクを愛してるの?」


わたしの抱く燐さんへの感情が、幻さんへのものとは違っていても。

大切にしたいよ。この気持ちを。


だから。どうか、伝わって。


「はい」

「愁も、言ってくれたなあ」

「……愁さんが?」

「うん。約束してくれた。ボクに愛をくれるって」

「…………」

「意外でしょ。っていうか、信じられないでしょ。でも、本当だよ。ぐっときちゃった。柄にもなく。あー、これ本人にはナイショにしててね」


燐さんに、そんな風に思える相手ができたことが、自分のことのように嬉しい。


「でもね。正直まだ、足りないんだ。全然」