総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



「ボクが。強い?」

「はい」

「まあ、そうかもね。メンタルなら、とっくの昔に壊れてるから」


そんなの、強がりなんじゃないですか。


傷ついたり。

幸せ、感じたり。


できるから、ここに、いるんですよね?


「生きてきたんじゃないですか。必死に。それだけで、偉いじゃないですか。どこが恥ずかしいんですか。尊敬します。もっと、好きになりました」

「バカなの。……いや。キミがバカでお人好しだって知ってたけどさ。どこまで能天気――」

「『絶望のフチにいるならもう落ちることもねえな』」

「……!」

「話してくれましたよね。そう言ってくれたひとがいるって」

「…………」

「それって、幻さんなんですよね。幻さんと出会ってからは、燐さん、幸せを感じてきたんじゃないですか。だから黒梦にいる。愁さんとだって。一緒にいて楽しいから引っ越してきたんじゃいんですか。貧乏になったって言ってましたよね。お金より選びたいものが、ここにあったんですよね」

「……っ」

「燐さん、幻さんにとっても愛されてますよね。わたしと出会う前から。変わりたくて、ライフスタイル変えたんですよね」