総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



「ボクの苦手なやつだよ、そういう理想論」


燐さんの声のボリュームも、トーンも落ちる。


「イージーモードから人生をスタートさせたお気楽な人間が。ハードな人生送ってるやつにまだ頑張れっていうの。何様なの」

「違うっ……」


戸籍、って。

今から作れないのかな。

ケガしたときに不安なく病院に通えるような環境って。

今からでも、実現できないのかな。


それとも。


燐さんは。


(自ら、その選択を避けている?)


「なんにもわかってないよ、ユウちゃん」