総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



わたしが首を横に振ると、


「検査の結果、なんと、ユウちゃんは妊娠二ヶ月でした」

「……え?」

「お腹に宿ったのは、紛れもなく幻との子供でした」


ああ、これは

――“もしも”のハナシ。


「さーて。ユウちゃんは、喜ぶ?」


幻さんと、わたしの、赤ちゃん……。 


「はい」

「産む?」


――!


こんな話、まだ、幻さんとしたことないし。

幻さんの気持ちも聞いてないけれど。


わたしは。


「……うみたい、です」

「そう。それじゃあ、近い未来に母子健康手帳、もらうよね。定期的に病院で、健康管理されるよね」


そういう手順は全然わからない。

母親になるということ。

それは、まるで想像のできない世界だ。


それでも、いつか

そんな未来がきたら

わたしのお腹に幻さんの赤ちゃんができたら


たまらなく、嬉しいと思う。