「ときどきチェックしておくと、役に立つ記事なんかみつけられていいかも」
「はい、チェックします。この子は趣味で載せてるんですか?」
「最初はそうだったろうね。今は広告収入でサラリーマンより稼いでるよ」
「すごい……!」
「動画サイトも人気あるしね。メイク動画、参考にしてみたら」
動画なら、一人でも勉強できる。
いいこと教えてもらっちゃった。
同じ年くらいの子、なのかな。
やりたいことやって。
それを広めて。
人気だってあって。
生活していけるだけの収入も得られるなんて、尊敬しかないよ。
って
さっきから荷物の整理といいつつ
勉強になることばかり教えてもらっている。
前から興味のあったこととはいえ、燐さんとだから、こんなにオシャレに関心が持てたし、わくわくもしているんだろうなあ。
「……あ」
「んー?」
「表舞台が、無理でも。裏方のお仕事ならできますよね」
燐さんなら、伝えられるよ。
可愛くなるということの、楽しさ。
表現できるよ。
個性も、その人の魅力も
最大限に引き出しちゃえるんじゃない?
「えー? もう仕事のハナシはいいよ」
わたしから目線を外してしまう、燐さん。
「メイクさんとか。こうやって髪のセットする人とかどうですか」


