「おひとよしー。そんなこと言って『わたし、いい子なの』ってアピールしてる?」
「そ、そんなんじゃ……!」
「誰かが笑っているときは、誰かが泣いてるもんだよ。ユウちゃんみたいに『みんなが幸せになればいいのに』なんて、幼稚園児でも考えないって。大好きなケーキは独り占めしたくなるでしょ?」
「……みんなでわけます」
「大好きな、幻も? ボクとシェアしちゃう?」
「へっ……!?」
「愛し合う?」
「は!?」
「それじゃあ今夜は幻も泊まってもらって。三人で肌をあたためあおうか」
「言い方がっ……なんか、やらしいです」
「やらしく言ったんだもーん」
「もう、燐さん!」
ちょっと想像しちゃったじゃないですか。
……とても美しい光景でした、ハイ。
「人は、不平不満抱えて生きてるからね。その鬱憤をどこかで晴らしたいんじゃないかな」
「だから他人の不幸も喜んでしまうと?」
「そうさ。あとはやっぱり、お金になるからねー。スキャンダルは。黒ければ、黒いほど」
「そんな……」
「自分の握る情報が大金に化けるなら、友達裏切ってでも交換しちゃうんだろうね?」
「嫌です、そんなの」
「ほんと? 甘い誘惑を目の前にしても、そういっていられるのかな」
「もちろんです!」
「……弱みがあったら?」
「え?」
「たとえば幻を助けるために。ボクのこと、裏切らなきゃならない場面がきたらどうするの」


