総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



「おひとよしー。そんなこと言って『わたし、いい子なの』ってアピールしてる?」

「そ、そんなんじゃ……!」

「誰かが笑っているときは、誰かが泣いてるもんだよ。ユウちゃんみたいに『みんなが幸せになればいいのに』なんて、幼稚園児でも考えないって。大好きなケーキは独り占めしたくなるでしょ?」

「……みんなでわけます」

「大好きな、幻も? ボクとシェアしちゃう?」

「へっ……!?」

「愛し合う?」

「は!?」

「それじゃあ今夜は幻も泊まってもらって。三人で肌をあたためあおうか」

「言い方がっ……なんか、やらしいです」

「やらしく言ったんだもーん」

「もう、燐さん!」


ちょっと想像しちゃったじゃないですか。

……とても美しい光景でした、ハイ。


「人は、不平不満抱えて生きてるからね。その鬱憤をどこかで晴らしたいんじゃないかな」

「だから他人の不幸も喜んでしまうと?」

「そうさ。あとはやっぱり、お金になるからねー。スキャンダルは。黒ければ、黒いほど」

「そんな……」

「自分の握る情報が大金に化けるなら、友達裏切ってでも交換しちゃうんだろうね?」

「嫌です、そんなの」

「ほんと? 甘い誘惑を目の前にしても、そういっていられるのかな」

「もちろんです!」

「……弱みがあったら?」

「え?」

「たとえば幻を助けるために。ボクのこと、裏切らなきゃならない場面がきたらどうするの」