総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)



燐さんは、心のどこかでキラキラしたお仕事に興味があるのかな。


それを、諦めなければならないの?


「社会的にどうとか。……まだ、わからないところも多いですが。少なくともわたしにとって燐さんは輝いてます」

「ありがと、ユウちゃん」

「だから、もし、望むならなにか道が――」

「ネット社会舐めてたらダメだよー?」


わたしの話をシャットアウトするように、燐さんが続けた。


「誹謗中傷なんて毎日飛び交ってる。火のないところに煙はたたないっていうけどさ。あることないこと書かれて。すぐにボクの過去なんて晒されるんだから」

「どうしてそんな……。人生を狂わすようなこと」

「そりゃあ他人の不幸は蜜の味だからさ」


燐さんの言葉にムッとしたのが伝わったのか、頭をなでられた。


「怒らないで?」

「……ハイ」


燐さんの細い指に通された、わたしの髪。

くるくると巻いて遊ばれている。


「ごめんね? 性格わるくて」


謝っている割に、嬉しそうに微笑んでいる。

燐さんのそんなイタズラっぽい表情が、とんでもなく可愛いし、魅惑的なのだ。


目元のセクシーな涙ボクロ、いつも、つい見ちゃう。


「燐さんのこと、性格悪いとは思いません」

「へえ」

「ただ、知らない人でも、どこかで泣いていたり困っていたりしたらって考えたら……わたしは悲しくなります」