燐さんは、心のどこかでキラキラしたお仕事に興味があるのかな。
それを、諦めなければならないの?
「社会的にどうとか。……まだ、わからないところも多いですが。少なくともわたしにとって燐さんは輝いてます」
「ありがと、ユウちゃん」
「だから、もし、望むならなにか道が――」
「ネット社会舐めてたらダメだよー?」
わたしの話をシャットアウトするように、燐さんが続けた。
「誹謗中傷なんて毎日飛び交ってる。火のないところに煙はたたないっていうけどさ。あることないこと書かれて。すぐにボクの過去なんて晒されるんだから」
「どうしてそんな……。人生を狂わすようなこと」
「そりゃあ他人の不幸は蜜の味だからさ」
燐さんの言葉にムッとしたのが伝わったのか、頭をなでられた。
「怒らないで?」
「……ハイ」
燐さんの細い指に通された、わたしの髪。
くるくると巻いて遊ばれている。
「ごめんね? 性格わるくて」
謝っている割に、嬉しそうに微笑んでいる。
燐さんのそんなイタズラっぽい表情が、とんでもなく可愛いし、魅惑的なのだ。
目元のセクシーな涙ボクロ、いつも、つい見ちゃう。
「燐さんのこと、性格悪いとは思いません」
「へえ」
「ただ、知らない人でも、どこかで泣いていたり困っていたりしたらって考えたら……わたしは悲しくなります」


