「……死んでよ」
「はあ? 誰が死ぬかよ」
「消えて」
「俺は、お前が――」
「なにこれ。同情……? なんのメリットあってボクにそんなこというの。幻たちの邪魔されたら困るから? 手懐けておきたい? だったらもう、いいや。面倒だから。ユウちゃんには近づかない。黒梦にも、関わらない。これでいい?」
「よくねぇわ」
「なんで」
「俺がテメェに関わりたくなった」
――正気なの?
「嘘つくの上手くなったね」
「嘘でこんな恥ずかしいこと、言うかよ」
「害悪だよ。オレ」
「それは俺が決めることだ。俺がそうじゃないと判断すればどうってことない」
「後悔するんじゃないかな」
「今お前をここで帰らせる方が後悔すると判断した」
なんで
「乗れ」
「なんで」
「帰るぞ」
――帰る……?
「どこに」
「うちに」
「オレいない方が二人きりになれるよ、ユウちゃんと」
「ンなこといいから」
「……愁のうしろ、こわい」
「いいからさっさと乗りやがれ」


