あなただけが好きだから





そんな私の声も虚しく。
蓮はメモを持ったまま何処かにいってしまった。




「ふ……うぅ……」




場所なんて気にならず、涙が止まらない。




「怜……! こっち来なさい」




咲に連れられ教室に戻る。
教室にはまだ誰もいなかった。




「咲……蓮は私のこと好きじゃないんだよね……?」




「怜……」




「でもね……私、片想いでも、頑張りたいの……」




こんなところで終わりたくない。
勘違いされたなら、誤解を解きたい。
私が好きなのは……本条先輩じゃない。