あなただけが好きだから






「何よ」




「な、なんでもないです……」




遠目で四人を探して様子を見ると、特に変わった様子はない。




いや、よく見ると霧島先輩の落ち着きがない。
これはまさか!




「怜、あんた馬鹿なこと考えてないわよね」




「ううん、皆のこと応援しようか」




「そうね」




いよいよ、部活対抗リレーが始まる。
どうやらうちの学園はイケメンが多いらしく、各部活の応援団がすごい……。




なのに美女は聞かないからなんとなく悲しい。




黄色い歓声に包まれる校庭。