あなただけが好きだから





蓮が走る番になるのをじっと待つ。
涼もすごかった、うん。
でもそうじゃない。




涼からバトンが蓮に渡る。
優々と受けとると他の人達とぐんぐんと差を開く。




「わぁ、やっぱりかっこいいな」




走り終えた蓮と一瞬目が合う。
ふっと爽やかに微笑んだ。




「きゃー! 蓮くーん!」




「石神くんすごい人気だねー」




「あはは……」




あれは、私に向けられた笑顔でいいんだよね?