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保健室。

ドアの前、躊躇う俺。

本当に、中にいるかも分からない。

でも………

それでも………

ドアに指がかかり、開ける間近。


「ありがとう、葵くん」


君の声が聞こえた。

葵くん…………?


そっ、とドアを開けたら、ベットに横になるルナと。

「無理すんな、雅がごめん……」


葵が、寝ているルナの髪を撫でた。
「雅、くんって言うんだ。
雅くんが、悪いんじゃない。
私が……………怖いからっ」

今、なんつった?
よく聞こえなく………もう少し近ければ……。

ガタンっ!!
しまった。

「「「あ…………」」」

やべーっ!!

「ルナ、わりい。
もう、しないからっ。
けど、葵には渡さない‼
葵、ルナ任せた。
その変わり変なことすんなよ!!
じゃあな!」


うわ、いい逃げかよ。

言いたいことだけ言って、逃げやがって。

南、困ってるし。
だいたい、変なことってなんだよ。
変に意識させんなよ。
どうすんだよ、この空気。

「ルナ!?大丈夫!?って、葵くんだ‼
こ、こんにちわ」

南の友達。
なんか、焦ってるし。

「南の側に居てくんない?
南、またな」

俺、普段こんなこと言わないよ。
なんでだろう……。

「葵くん、ありがとう」

君が笑った。

あー、そっか。
俺、きっと南がーーーーー。