「雅、ルナは俺の彼女だよ?
姫になれーーって無理だよ」

姫って何?


「今、ルナの心に俺が居なくても、必ず俺でいっぱいにしてやるからーー覚悟しろよ」

ドキッ。
何、今の………いつもの雅くんじゃなかった。

チャラけた感じは無くて、見つめる目は真剣で逸らせない。


いつものーーー




「ルナ、愛してるーー」


いつもの雅くんじゃない。

前までは怖いだったのに、なんか照れる。
恥ずかしい…………。

カアッ、と赤くなる頬。

「どうした?ルナっ。
脈あり?脈ありなの?」

普段、めちゃくちゃ重いのにーーー。

今はただ、恥ずかしい。


「ルナーーーっ」


ふわり、と抱き締めてきたのは葵くんで。

なんだか、葵くんはひどく苦しそうに顔を歪めた。

葵くんーーー?


「帰るよ、ヤスの車待たしてあるし」

いつものーーー


冷静な葵くん。

なんだか、今日は焦ってるみたい。

「うん、葵くん。
助けてくれて、ありがとう‼」


私は満面の笑顔で、笑った。


「最初に聞きたかった、雅じゃなくて……」


えっーーーー?