「先輩…………っ」


不安げなルナの瞳は、若王子を見ている。

「あれれ?若王子先輩じゃないですか?
王子って騒がれてる先輩ですよね?
けど、俺らと戦うのは無理じゃない?
なあ、ルナちゃん。
俺らと行こうよ‼「きゃっ」

ガッーーーー

若王子が、ルナの手を掴む男の手を払い除けた。

そしてーーーー


「「うわっ!!!」」


二人の金髪は、若王子先輩が押さえつけた‼


「はいはい、女の子に悪さしちゃダメですよ‼」


言葉は幾分優しいのに、、若王子の見る目は冷たかった。

若王子が、ルナを助けた?
あの、反射神経………無駄のない動き。

あれは、格闘技。

ルナを守れるだけの、強さがある。
俺なんかいらない。
俺じゃなくても、あいつがいる。

「ありがとうございます、先輩っ。
先輩、強いですね」

「あー、空手を習ってるんだ。
役にたって良かった。
守れて………良かったよ」

ルナが先輩を見つめる。
やっぱり、お似合いだ。

羨ましいぐらい。