「……………っ、待って、雅くんっ」

ルナちゃんは、雅くんが、大好き。

「ルナちゃん」
君を呼んで抱き締めることが精一杯で………
なんも言えないけど。

「ルナちゃん、ごめん。

けど、俺はね……ルナちゃんが好きっ」

溢れる想いだけは、誰にも負けない。
君が誰を好きでも、諦めない。

だから、これだけは許して。

君の泣いてる瞼に、キスを落とした。

びっくりした様に見るルナちゃんの、涙は引っ込んだ。

「あ、泣き止んだ。
ごめんね、急に。
だけどさあ、もう何を聞かれても否定しないから。
高城くんが、君を想ってると思えない。
月曜日、また、ね」


少し、恥ずかしい。
俺は、君に背を向け歩き出した。

君のアパートの二階。

「えっ……………先輩って、ここですか?」


「あー、言うタイミング出せなくて。
ここの二階。
だから、毎朝、高城くんが迎えに来てるの知ってる。
高城くん、月曜日は、来ないだろうね。

だからさあ、俺が迎えに来ていい?」




「はい、お願いします」






君が、答えた。

それが、嬉しかった。


「ありがとうございます、先輩っ」

君が笑うと、嬉しい。
君が泣くと、悲しい。

「おやすみ、ルナちゃん」


「おやすみなさい、廉先輩!!」

やっぱり、君が好きです。