こんな見た目に生まれたくなかった。
可愛いは、嬉しいけど……時に残酷。
私は、私を抑えられない。
二人がいるのに、私は、涙を我慢し切れない。

「ごめんなさいっ、大切な仲間の人にひどいこと言ってごめんなさいっ。
だけど、私………今はまだ、怖くて………っ」


泣いてごめんなさい。
ふわり、と香るシトラスの香り。

「葵くん………っ」

私は、葵くんに抱き締められた。

「ごめんな、思い出させて。
泣いていいよ、俺見てないから」

背中から抱き締められた私。
背中に感じる大きな体に、抱き締められ……
心が、暖かくなる。

触れられるのが、怖い筈なのに………

葵くんは、大丈夫って変かな?

いつも、助けてくれて優しくて………
まるで…………。


「葵くんって、王子様みたい」

口に出したら、ハッ、とした。

私、何言ってんの?

くるん。

えっ………
葵くんに向きを返され、私達は向き合う形に……。

「じゃあ、南は………いや、ルナは姫だね」

なんで、私……きっと真っ赤だ。

「ルナ、顔っ「私、失礼します‼」


無理、恥ずかしい。
私は、立ち上がり有無を言わず屋上を出た。


「…………可愛かったな、今の」


慧くんの呟きは、もう聞こえない。