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帰りの車の中、私は雅くんと葵くんの真ん中に挟まれつつ、息が詰まるのを感じていた。

「ルナちゃん、大丈夫?」

ヤックンの隣に座る美織ちゃんが、気にかけてくれる優しさ。

「うん、大丈夫だよ」
なんて言っても本当は………。

「ルナ、もうちょいこっちおいで。
雅は、危険だからっ」


「ケッ、かっこつけが!!
ルナは騙されてんだよ、俺のとこおいで!!」



大丈夫じゃないーーーー。

全然、大丈夫じゃない。
私の後ろでは、一人傷だらけのリオくんがいた。

リオくんの目は、ヤックンを睨みつけたまま。

嫌な予感しかしない。


「テメーは、早く風邪直せや。
それまで学校くんなし」

葵くん…………。

普段、こんなこと言わないのに。