「ヤスくんと出会ったのは予想外だった。

出会うのは、予想してなかった。
ヤスくんと出会ったのは、奇跡だった。
ごめんね。
巻き込んでごめんね。
私にも、大切な人がいるの。
その子は、私しか守れない。
だから、大人しく捕まって欲しいの」

大切な人ーーー?
何となく分かった。
美織ちゃんは、利用されている。
たぶん、この銀髪の人にーー。


だって、私を見る美織ちゃんの目には
悪がないからーーー。


「分かった。
だけど約束して、美織ちゃんを傷つけないで」



美織ちゃんが、顔を上げた。


「どうしてーーーー?」


美織ちゃんの、切ない声が聞こえた。


「だって…………友達だもん。

美織ちゃんは、何があっても友達だもん。
約束した。

何があっても友達だよ、って」


私はそう言い笑った。

「アホらしい、バカな女の友情だな。
せいぜい、青春してろよ。
俺らの倉庫に来いよ。
まだ、悪い様にはしないから」


私は、銀髪の男を見た。

銀髪に、切れ長の目。
イタズラ気な顔。

まだ………?

いつ、気が変わるか分からない。

銀髪の男の目には、悪意が感じられるのがわかる。

だから、大人しく捕まっている。
今だけはーー。