ギシッーーー
「無理すんなよ、ルナ。
お前の体になんかあったら………俺。



生きていけない。


少し眠れ。
起こしてやるから」


俺は、そう言いルナの頭を撫でた。

「ありがとう、雅くん………」


君の透き通る声が、聞こえた。


瞼を閉じたルナの顔を眺めた。

目を閉じていても分かる、大きな目に、、

長い睫毛。

赤い顔のルナに、息苦しそうに息をするルナの息遣いが、側で聞こえる。


「はぁ、ンッ」


「「「………………………」」」



目を逸らす葵。
頭を掻くヤス。

分かる。

気持ちが分かる。
敢えて言わないけど…………。


なんつーか、ルナの声可愛すぎ。
なんか、色々妄想しちゃうよ。


「雅、血…………」

はあ?血?

タラリ、と垂れた血。

「うわ、血だ。病院病院‼」

ちょっと引いた様に、葵が遠巻きに見てる。

「ルナで、変な妄想すんなよ」

「してないけど」

しそうになったのは認めるけど………

キッ。
急に止まる車。
着いたらしい。

葵は、ルナを抱き抱え、病院に入ってく。

追いかけるように、俺も病院へ。