俺は、葵に勝てないな。
葵に、勝ちたい。
「よし、練習だ。
とりあえず、滑ればいいんだろう」

こんな、不安定な靴で氷の上滑るとかあり得ないだろう。周りを見たら、皆笑顔で楽しんでる。
意外に、簡単なのではーー?

踏み出す一歩。

ツルッ。

「うわ、いてー。絶対、無理。
マジ見通し暗い「大丈夫?雅くん」

柔らかい優しい声。
少し屈み、手を差し出すルナだった。

ルナ………。


俺は、ルナの手を掴むと立ち上がる。
だけど、、

「きゃっ」

「うわっ」

ルナは滑り、俺の胸に飛び込んできた。

マジか。

「ゴメンね、雅くん。
私もうまく出来ないの。
一緒に、練習しょう」

少し冷えた君の手。

掴んだら、ニコリ、と微笑むルナに、頬が熱を持つ。

やっぱり、優しい。

「大丈夫か、雅」

葵。

やっぱり、葵には勝てないな。