*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*


季節はすっかり春。桜の満開も終わり、少しずつ葉桜に変わりつつあった。

太田川校は4月1日に無事に開校し、たくさんの講師にも恵まれ、生徒数も着々と増えてきていた。本校も、新しい環境になった。

翔太郎は、本校と太田川校を行き来しながら、他のビジネスのために東奔西走していた。
私は塾長代理と秘書を兼務しつつ、新しい塾長になれる人材確保、育成も始めた。


そして今日も月曜日の朝がやって来た。ちょっぴり憂鬱な朝。
天気も悪く、薄暗く、憂鬱さが増してくる。

「結構、降ってるな」
翔太郎が、レースのカーテンをチラリと開けて、そう言った。

「あーあー雨苦手なんだよね」
私は体をビクつかせながら、頭を押さえた。

「大丈夫か?今日から穂乃香来るんだけど」

「あ、うん、そうだった…」
私は今度は両頬を押さえつけて、ソファーに腰掛けた。


「まあ、まずは、俺は穂乃香と行動共にするから。」

え?
今なんて?

一瞬でさらなる憂鬱な空間に陥る私。


ダメダメ、しっかりしなきゃ。
翔太郎を、信じてるんだから、大丈夫。
心替わりなんてしない……はず。
浮気はないない…心配しない。


「了解です。頑張るー」

「頼むね」

翔太郎はいつものように、大好きなカフェラテを飲み終え、出かけて行った。