待ち合わせをした私達は、拓真さんが予約してくれた、ダイニングバーに連れて行ってもらった。
私が初めてという事あって、拓真さんがメニューを見て注文してもらった。

こんな所きた事ないな…
ソワソワしていた。

「どうしたの?香里ちゃん」

「え?あ、こんな所来た事がないので、緊張してたんです」

「そっか…」

「あ、あの拓真さんて…」

「ん?なに?」

「…も、モテますよね?こ、こんなお店いっぱい知ってるんじゃない、ですか?」

失礼だったかな、こんな事聞いて…
だけど、私こんな所初めてだし、拓真さん慣れてそうだし…

「ん、まぁ、前に付き合ってた人たかと来た事があるって言うか、友達が教えてくれたり、するだけだよ。モテてないし」

「えぇ!そんな事ないでしょう?」

「そんな事あるって。俺、今フリーだし。彼女募集中だよ?香里ちゃん、誘ったのもフリーだからだよ?」

「っ…あ、ありがとう」

「香里ちゃん、彼氏は?」

首をブンブンと振った。

「い、いないです。全然」

「そっか、立候補していい?」

そう言いながら、拓真さんは私の手を握ってきた。

だから、慣れてるんだってば。
どうしたらいいんだろう…

「え、あ、はい。よろしくお願いします」

なんでか、私は頭を下げていた。