「素直じゃないなぁ。 ‥‥‥‥俺、教室に戻るねー」 仕方なさそうに笑って空き部屋を出ていく理櫻。 それを横目に見ながら、いつの間にか置かれた長いソファに移動する。 そこに横になり寝る体勢にはいる。 『‥‥風櫻(かのん)』 その名を呼んだ俺の声は、驚くほど掠れていた。 今度こそ守る。 俺たちの居場所も、俺たちの願いも。 お前のことも。 そんなことを考えながら襲ってきた睡魔に身をゆだねた。