「きゃぁぁぁぁあーー!」



空き部屋の窓側の席で寝ていたら聞こえてきた悲鳴。

恐怖とかではない、歓喜の悲鳴。



『うるせぇ』


「風南(かなん)、仕方ねぇじゃん。
雷光(らいこう)が来たんだから。」




雷光。
全国No.2の暴走族。

俺、赤神 風南(あかがみ かなん)の双子の弟が副総長をつとめる暴走族だ。


赤神 理櫻(あかがみ りのん)。
それが双子の弟の名前。


そして、今現在隣に座っている男だ。



『お前の族だろ』


「俺のじゃないよ?
だって、おれ副だから。」


『……屁理屈かよ。』




クスクスと笑う理櫻。



「つかさぁ。
最近転入してきたやつ、大丈夫なの?」


『転入?』


「え、まさか風南知らねぇの?」



最近まともに教室行ってねぇからなぁ。
転入生なんて存在、今はじめて知った。

この学校、テストさえよければ卒業出来るし。