「何だったんだよ」




顔を歪めた昴がそういうと、気まずそうに私へ視線を向けた。





「お前にたくさん、傷つけたことを言った」






下を向いて顔を歪め続ける彼に私はにこりともせず





「ちゃんと顔見て言うものじゃないの?」

「そうだよな……悪かった」






今度はちゃんと目線を合わせてそう言って頭を下げた。





「俺も、悪かった」

「便乗するみたいだけど、僕も本当に申し訳ないと思ってる」




成海と後宇多も昴の横へ並び、深々と頭を下げた。







「咲良。……信じてあげられなくてごめん。あと……勇太も。……あの時は悪かった」





祐亮が頭を下げると勇太はカツカツと詰め寄って












祐亮を蹴飛ばす。









「ってぇ……」

「あの時?いつの事?親の金目のもの全部獲って隠したのを僕のせいにした事?茉菜に僕が『お前といると吐き気がする失せろ』って言ってたって嘘の告げ口した事?どっち?」

「え…」









『兄さんはそれをよく思ってなくて…』





あの時、あの言葉の先に続くはずだったものが、淡々と流れでいく中で、私は声を漏らすことしか出来なかった。