「僕はね」




勇太のその一言で始まった昔話は壮絶なもので。

始まったのと同時に私の心臓が大きく音を立てて行くのがわかった。








僕はね、お兄さんが大好きだったんだ。

容姿端麗、成績優秀。スポーツは出来る方だったけどそんなに自信を張れるほどではなくて。



〜キラキラと目を輝かせる勇太は、その時の祐亮を尊敬してたって伝わってくる。




そんな兄さんに対して、容姿端麗とは言われど、勉強の成績が僕はガタ落ちだったんだ。