「波留多、心配してくれてんだ?」 「んなもん、してねえよ」 「ごめんね」 私は眉を垂らせる。 私の表情とは逆に、波留多は顔を顰めていた。 「んで謝んだよ」 「迷惑じゃん」 「迷惑じゃねえ、お前を守るって決めたんだよ」 そう言う波留多の表情は真剣そのもので。 もうごめんなんて言う勇気は無かった。 「ありがとう」 …だってその言葉は自然と出てきたから。