「希愛ちゃん、点滴かえるよ」 看護師さんが腕に触れる前に、毛布の中に左腕を入れた。 「ほら、腕だして」 窓の外は本日も見事に晴天。 きらきらの太陽。 自由に飛ぶ鳥。 …全部、颯斗みたい。 自分から断ったくせに…。 今さらなにを思っているんだろう…。 何かを考えていると、絶対に颯斗が出てくる。ぼーっとしていても、いつの間にか頭の中は颯斗で。 嫌になるくらい、颯斗のことばかり。