「誰かが傍にいる時に泣けば、その涙を拭うことができる。だけど、1人で泣かれたら誰も拭ってやれねぇ。誰も、希愛のこと助けてやれねぇ…」 「無理だよ…。あたしには誰もいない…」 1人で生きて。 1人で泣いて。 1人で死ぬしかないの。 今までも、ずっと1人だった。 こんな風に誰かに抱きしめてもらったのも。 誰かに寄り添ってもらったのも。 こんなにも胸が苦しくなったのも。 ───全部、初めてなんだよ。