無理やり涙を止めると、自分の病室に戻った。 「ごめんね…」 「謝んな…。それより、どうした?」 「…分かんない」 あんな気持ち初めて。 あんなに泣いたのも久しぶり。 「どうしちゃったんだろ…。変だね、あたし…」 泣いた後の無理やり笑顔。 笑っていれば苦しくならないと思ったの、逆効果だった。 下唇を噛みしめ、込み上げてくるものを必死に堪えていると、ふわっと甘い香りに包まれた。 「颯斗…?」 突然の出来事に頭がついていかない。 なんで、あたし…抱きしめられてるの?