「なんか言った?」


きょとんと首を傾げ、俺を見る希愛と目が合った。


日焼けをしていない白い肌。

なげーまつ毛。

くっきり二重。


この距離からでもよくわかる。


「なんでもねぇ…」


目をそらし、そっけない返事。

なんで、こんな言い方しかできないんだよ…。

言った後の後悔。


「つーか、こんなところにいんのかよ」


「間違いねぇって。入っていくところみたし」


突然、ドアの向こうから聞き慣れたうるさい声が響いた。

その直後、乱暴に開けられるドア。

入ってきたのは紛れもない、アイツらだ。


…最悪。