「そっか。今日は目が覚めたばかりだから、明日、詳しい検査をしようか」 にっこり微笑む先生に、あたしも笑い返した。 「希愛、よく頑張ったな…」 優しくあたしの頭を撫でてくれる、お兄ちゃんの温かい手。 「目、覚めて……よかったぁ…」 なんだか、長い長い夢を見ていた気がする。 だけど、所詮夢だから。 いつかは目が覚めて終わりが来るんだ。