「どうしたの?」 2人の目は赤くなっていて、まだ少し目には涙が溜まっている。 心臓がドクドクとやけに早く脈打った。 「希愛…」 お父さんはあたしを優しく抱きしめると、震える声でつぶやいた。 「ドナーが、見つかった…」 その言葉を理解した瞬間、あたしの目にも涙が溜まり、視界がゆがんだ。 うそ…。 全身から力が抜け、その場にぱたりと座り込む。 わずかに震える手足。 大きく脈打つ心臓。 ドナーが見つかった? あたし、生きられるの…? これからも、ずっと…。 見えなかった未来が、見えるの…?