「昨日、誰かと話していたみたいじゃないか。どーせ、あの男なんだろ?まったく、希愛の体のこと知っているのに気も使えんのか。これだから不良は…」


呆れたお父さんの横顔。

…なにそれ。

確かに昨日話していたのは颯斗だよ。

だけど、お父さんが思うようなことは話してない。

握りしめたこぶしにどんどん爪が食い込んでいく。


「いいか、希愛。その人がどういう人間かくらい見た目で判断できる」


言わないで…。


「あんな社会の恥と付き合っても希愛は幸せになれない」


言わないで…。


「だいたい「それ以上言わないで!」」


その時、あたしの中を急速に駆け上がっていたものが勢いよく爆発した。