翌朝、リビングに行くとお兄ちゃんの姿はなかった。 あるのはお父さんの姿のみ。 「希愛」 「なに?」 不愛想な返事。 あたしはまだ許したわけじゃない。 お父さんには怒っている。 「スマホを出しなさい」 …は? いきなりなに? 思わずお父さんの方を睨んだ。 だけど、お父さんは気にした様子も見せず言葉を続ける。