お兄ちゃんが出て行き、1人きりになった部屋。 頭の中で何度もリピートされる言葉。 …分からない。 あたしがいなくなっても颯斗は生きていく。 その時、颯斗は何を背負って生きていくの? 1つだけ分かったことは、あたしがイメージした未来にはならないってこと。 ここまでくると、間違っていたのはあたしの方なのかもしれない。 好きな人の傍にいたいと思うのが愛なら、好きな人を想って別れるのも愛。 ポケットの中からスマホを取り出すと、通知が一件来ていた。 それは、颯斗から〈大丈夫?〉の一言。