これ以上時間は無駄にしない。 最後まで、諦めないで頑張ろう。 今ならきっと、弱音は吐かずに前を向ける気がするから。 「あの男のこと、父さんには黙っといてやるから。上手くやれよ」 ふとお兄ちゃんの顔をみるといじわるそうに微笑んでいた。 「いい人なんだよ…。また、紹介するね」 「楽しみにしとく」 窓から入ってくる風は心地よくて。 外は紅葉した葉が秋風になびいていた。 あたしは、今日この日を永遠に忘れないと思う。