「…ようするに、星月は水口のことが昔から好きで、過去にいろいろありで、でも水口は同じマネの村河とキスしていて、付き合うことになったっていうワケね…」

「………」

「で、星月がそれを見て泣いちゃって、ボロボロになった心を癒すために、または水口ばぎゃふんと言わせるために、あんたら二人が恋人同士になって、イチャぶりを見せつけて楽しく過ごす…と、いうわけね」



改めて整理すると、こんな感じ。

やはり何度聞いても、この流れからの、その蓑島くんの『付き合おうぜ!』という提案は滑稽だ。



横川さんは「ふーん…」と言いながら、しばらく天を仰いで何を考えているようだ。

その、沈黙が恐い。



だって、そうだよね。

自分の彼氏が、そんなくだらない理由で違う女と付き合うとか言ってんだよ?

頭にくるよね…。

ふざけんな!って言いたくなるよね。




「…おもしろい。その話、乗った」




「………」




ふざけんな!…じゃ、なかった。




「…って、えぇっ?!」