それは、私も思ってた。


私が『もういい』って言えば、それですんなりと終わるって思ってた。



「…実は、星月に本気になったとか?」

「…ないと思う」



そこはキッパリ言える。

何となく…わかる。

蓑島くんは、私のこと本気で好きじゃない。

本気で『好き』って言ってもらったことなんてないし。

…昨日だって、そんなに引き留めるなら『好き』だからとか、一言あるもんじゃない?

それも無く、ただ、離さない、傍にいろだなんて。



なぜ、急にそんなことを言い出すのか。



「うーん…全然見当つかないんだよね」

「…やっぱり何かを企んでいる系?」

「や、やめてよ恐い!」

企み?!

もしそうなら、この物語はラブストーリーではなく一気にホラー、サスペンス状態となる。

そんな世にも恐ろしいこと…困る!



「本気とかでないのなら…思い入れ?」

「へ?」

「蓑島くん的に、星月に何らかの特別な思い入れがあるとか。恋愛とか関係ナシに」

「…うーん」



そう言えば…。



《星月は『特別』だから》



そう言っていたような…。