「一緒に登下校…え?!そうなの?!」

「星月…あんた、気付かなかったの?」

私がそこに驚いていることに、逆に斗弥子が驚いている。

呆れ顔で。

「いや、全然そんなの気にしなかったし…一回も見たことない」

「えー?蓑島くんと一緒に学校帰りどっか行ったことないの?」

彩里の質問に…言葉が詰まる。

そういや…。



「…ない…」



学校帰り、二人で出掛ける?

そんなの部活もあるし、したことない。



でも、横川さんとは毎日登下校…。




「あんたねぇ…偽物だけど彼女でしょ?そこに気付かないなんて、鈍感なのか、そこまでじゃないのか…」

「………」

…そう?

あはは…。



「っていうか、まさか風呂も寝床と未だに一緒?…だったら、それって体の関係が!…ひえぇぇぇ」

「そ、そこまではいくら私でもわからない…」



…だから、『幼なじみが自覚がないまま恋人同士になった』という表現なんだ。





…しかし。

二人の間に、そんな重たい事件の過去があって。

それを二人で乗り越えてきた…っていう、感じなのかな。



恋愛感情より、深い繋がり。

…いや、恋愛感情と共に、と言うべきか。



…だとしたら。



やはり、二人の間に入る隙間はない。