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「…もう、帰るの?」

「うん。明日朝練あるし。遅くまでいるのも迷惑かけるし…」



楽しい時間は、あっという間に過ぎる。

気がつけば、もう5時半過ぎだった。



蓑島家のバーベキュー、蓑島牡蠣祭り(…)はまだまだ続行しそうな勢いで盛り上がっているようだけど。

私は家が遠いし、暗くなってから帰ると自分の家にも蓑島家にも心配かけてしまう。

なので、ここで帰宅することにした。



「泊まってけば?」

蓑島くんは、私の耳元でこそっと囁く。

…この男は。もう。

「だから。明日は学校で朝練あるの。無くても泊まってなんかいかないよ」

「…でも、星月が朝練なら、あの人も朝練でしょ?」

蓑島くんが指差した方向は、紫苑先輩だ。

紫苑先輩は、全然帰る様子もなく、バーベキューコンロを囲んだ大人達の輪の中に入ったままでいる。

「てなわけで紫苑。腹出せ腹。シックスパック見せてくれ。見せろー!」

「ちょっとちょっと、俺の腹を何回見たいんですか!もう六回見てますよ?…って、触らないでくださいって!」

無職の高志さんに、絡まれ続けているようだ。

酔っ払いの相手は大変。