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運命と奇跡ってやつは。

必要な時に、人が必要なだけ与える。



…その今が必要な時なのかもしれない、と。





「せ、せづ…な、何してんの…」



いるはずのない私の姿を見て、ポカーンとしている。

普段、余裕綽々の笑顔やドヤ顔を見せている彼のこんな表情は、レアかもしれない。

こんなところで一本取った気分だ。

…と、言いたいところだけど、そんな私も余裕を見せられる状況ではない。



会えた…会えた!



「み、蓑島くんが…」

あまりの奇跡の感動に、出した声が震えてる。

「…え?俺?」

「…蓑島くんが、試合見に来てくれ!って言うから、来たの!」

「え…」



予想しなかったことなのか。

彼は更にポカーンとする。



「マジか…」



そうボソッと呟いた後。

ブッと吹き出す。

それを皮切りに、肩を震わせ始めて「クックッ…」と、笑い声を洩らしていて。

最後には、とうとう大爆笑となった。



「…あははは!…マジで?!マジか!」



後ろに仰け反るくらい、笑っている。

そこまで笑われると、ちょっとムッとくる。

私、ここまで来るのに、結構必死な思いしてきたのに…。