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鍵をかけた倉庫を離れ、荷物を取りにグランドに戻る。

そこには、野球部員の乗ったマイクロバスの傍に、うちのサッカー部員が集まっていた。

すでにマイクロバスに乗り込んでいた野球部員に手を振っている。



「おーい野球部ー。頑張れよー」

「勝てばブロック決勝だろ?勝ってこーい」



朝練後の練習着のまま、サッカー部員はゆるーく手を振っている。

対する野球部員は、緊張の面持ちを見せて軽く手を振るのみの部員もいれば、「うぇーい!」とテンション高く手をぶんぶん振り返す人もいて、様々だ。



「蓑島ー!頑張ってこいよー!」

「ホームラン打ってこーい」



伊野くんと越後谷くんは、後方の座席に向かって手を振りエールを送る。

出てきた名前を耳にして、ドキッとさせられてしまった。



その後方の座席の窓が開いており、そこから身を乗り出す輩が一名。



「うぇーい!サンキュー伊野っち!えっちん!大間のマグロ、一本釣りしてくるぜ!」

「違う違う。ホームランだっつーの。ホームラン」

「試合でなく漁に出るつもりかおまえわ!」



ハイテンションなボケは、さらりと突っ込まれている。